アンコンシャス・バイアスについて、以前にもいくつか投稿していました。
ある研修で、こうしたバイアスを助長する要素として、「エコー・チャンバー(チェンバー:Echo Chamber)の話題に触れたので、少し考えて見ました。
Chamberとは、あまり聞きなれない英語ですが、「会議場、議会、会館」といった意味があるそうです(Weblioより)。
chamberの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
Echo Chamberの定義を引くと、以下のような解説がありました。
エコーチェンバー現象(エコーチャンバー現象、Echo chamber)とは、自分と同じ意見があらゆる方向から返ってくる「反響室」のような狭いコミュニティで、同じような意見を見聞きし続けることによって、自分の意見が増幅・強化されることを指す。ツイッターなどのSNSや、インターネット掲示板など「同じ趣味・思想の人とつながることができる」場で起こりやすい現象だ。
「同質性バイアス(他の集団の同質性が自分たちよりも高いと感じること)」、「コンフォートゾーン」、「同調圧力」などといった単語が連想されるように感じます。Echo Chamberを含め、いずれもダイバーシティ、インクルージョンの妨げになるものですね。
ダイバーシティ、多様な価値観を認めること
言葉では理解できていても、文化的・心情的にはなかなかすんなりとはいかないものだと感じています。日本人向けに準備された人事制度は、ヒエラルキーに守られ同質性が高まるように作られているので尚更です。「企業文化に合う学生を採用する」といった暗黙の方針にも反映されているのかもしれません。
多様な価値観を認めるには、たえず多様な価値観に触れることが重要、との解説がありました。親しい間柄でも価値観は少なからず違うはず。それを受け止め受容し、認めることが次へのステップとなるということです。
組織としての取り組み
理想はそうでも、一足飛びにたどり着けるわけもなく、また理想の状態に到達しないとダメかというとそうでもないとのこと。一般に組織がそうしたパラダイム・シフトを進めていくにはいくつかのステージがあって、少しずつ進めていく必要があるそうです。
集団主義的に作られた制度のもと、多様性を認めるということは言い換えれば個人主義に近づくので、ドラスティックな変革は難しいことが想像できます。ステージが低い場合は、異なる価値観を持つ人との接点を作り、頼り頼られることで小さな成功体験を積み重ねていく必要があります。「企業文化」もそうして形成されてきたのかもしれません。
まずは自組織がEcho Chamber化していないかを疑うことで、次なるステップへ踏み出せると感じた研修でした。
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