知者は水を樂しみ、仁者は山を樂しむ

お城、読書、プロジェクトマネジメント。ユーザ系IT企業 中間管理職のつれづれ

プロジェクトリカバリのコツとヒント(インデックス)

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

birdie-chance92.hatenablog.com

プロジェクトリカバリのコツとヒント(参考文献・サイト等)

参考文献・サイト等

 

引用元の書籍やWeb教材など。もっともよい教材は、実プロジェクトです。

このブログシリーズを書くにあたって、書籍のなかでは最大限参考にさせていただいた本。ちょうどトラブルプロジェクトに取り組んでいるさなかに手に取り、自分でも取り組んでいたこと、不足していたことを学んだと同時に、私自身の考えを言語化しようと思う(つまりこのブログシリーズを書く)きっかけになりました。

 

タックマンモデルやカッツなど、確立された理論に基づいた解説がわかりやすい本。プロジェクトマネジメントの初〜中級の方にミートすると思います。

 

言わずと知れた名著。私が担当していたプロジェクトでは、リソースバッファが枯渇したことで、方針の大転換に踏み切る決断をしました。

 

下記Udemyの講座でも言及されていましたが、リーダー自身の心身を健全に保つために、心に響く言葉を手元に持っておくことはとても大切だと感じます。

 

プロジェクトマネジメントと直結する内容ではありませんが、リーダーシップの開発やキャリア支援の考え方など、プロジェクトリーダーの育成に関するヒントが得られます。

 

PMIの勉強会でお薦めいただいた書籍。

 

 

プロジェクトをやり抜く思考と技術(Udemy)

https://www.udemy.com/course/project55/

birdie-chance92.hatenablog.com

 

プロジェクトチームを率いるにあたっては、コーチ的な要素も必要になってきます。リーダーとして、ひとつでもコミュニケーションの武器が増えることは、プロジェクトをより円滑に進めることにつながります。

プロジェクトリカバリのコツとヒント(8)

短いサイクルでの振り返り。セルフフィードバック 


ここまでの取り組みを始めたので、今後はリカバリに邁進します!と気勢を吐くような報告を見たことがありますが、邁進は盲進につながるリスクもあるので、こまめに振り返る、セルフフィードバックがあると良いと思います。

 

旅の途中、ときおり立ち止まって、高いところから周囲を見たり、地図上の位置を確かめたりしますよね。そのとき、集団の隊列が乱れていたら、「一旦ストップ」すると思いますが、プロジェクトもそれと同様です。立ち止まることで心理的にも楽になります。落ち着いて考えることができます。


視点(時間、空間、立場など)の移動は、コーチングでも用いられる手法です。視点・視野・視座を拡げてくれる効果があり、「立ち止まって考える」ときに、たいへん有用です。視点を変えたり、原点に戻したりするための切り口として、次のような見方ができるでしょう。

  • 縦と横:全体感を常に捉える
  • 前提とスコープ:ぶれを常にウォッチする 

 

リーダーは、足元の作業に捉われていてはいけません。メンバーよりも先に行っている、先を見ている必要があります。 リーダーがボトルネックにならないこと。そのために、メンバーにタスクを振ることを恐れないことです。プレイングマネージャーの罠に陥らないように、こまめに立ち止まりましょう。

 

リーダーの心身が健康であること

リーダー自身の心身の健康も重要です。


深呼吸は、自律神経を整え、頭を整理するのに大きな効果があります。私はプロジェクトリカバリの期間中、1週間の呼吸の様子を観察したことがありますが、木曜、金曜日が近づくにつれ、呼吸が浅くなっていました。遅延がなかなか回復しないまま週明けの進捗報告が迫ってきて、緊張がつのってきた証です。呼吸が浅くなると、視野狭窄になる恐れがあります。全体感を捉え、視点を高く、良い意味で大雑把に=柔軟に。「健全な心身」はプロジェクトを支える基盤だと、経験上からも実感しました。 

 

リーダー自身の「支えになる言葉」を持ち、気に入った言葉や本を溜めておくのも効果があります。不安、恐怖を感じた時の支えになります。困難な状況に立ち向かったり、危険から身を躱わす、相手の力をいなす、さまざまな対処方法が、先人の知恵にこめられています。

プロジェクトリカバリのコツとヒント(7)

情報公開 


見える化の準備ができました。状況の良し悪しは、数字だけではイメージに結びつきません。グラフ化して、直感的に把握できるようにします。ゴールが近づいていることが見えることは、プロジェクトチームにとって自己効力感の向上やモチベーションの維持に繋がります。したがって、進捗資料をはじめとするドキュメント類は、対外的な報告のためだけではなく、チーム内で共有することが重要となります。

 

 

おそらくあなたは、プロジェクトマネージャの役割を、自ら獲得したのではなく、上司から「あなたなら立て直せる」という期待をこめて、任命されたのではないかと思います。お客様への報告はさることながら、上位層への報連相を欠かさないようにしましょう。最低でも1ヶ月に1〜2度は必要です。負担が増えるように感じるかもしれませんが、上位者は状況をタイムリーに把握でき安心するメリットが、プロジェクトマネージャは余計な介入を回避して、自分の仕事を減らすことができるメリットがあります。

 

トラブルプロジェクトの再スタートでは、「建設的な進捗」をプロジェクト内外に示す(実態とあまりにも乖離してはいけませんが)ことで、期待感を持たせることができます。外野からは口出しをさせない効果が、チーム内には「できるかも」という前向きな気持ちが生まれます。ただし、「期待」の賞味期限は1ヶ月程度と思っておくのが良いでしょう。

 

口頭コミュニケーションが招く認識齟齬

口頭でのコミュニケーションは、認識齟齬を必ずもたらすものと考えた方がよいでしょう。


コミュニケーションミスをなくすには、書くこと・可視化すること・共有することが重要です。図解の技術、自分の考えを論理的に整理する技術、ホワイトボードの活用、ファシリテーションなどが助けとなります。

 

Problem vs Us

書いて見える形にすることは、人と人との対立を回避したり和らげたりする効果があります。何かの課題について論じているとき、口頭ではどうしても、「You vs I」の構図になってしまい、矢が向かう方向は相手(You)になります。事実と感情の分離が難しくなることもあるでしょう。この課題を例えばホワイトボードなどに書いて見せたらどうなるか。お互いの視線はホワイトボードに向けられることになるので、「Problem vs Us」の構図に変わり、同じひとつの問題・課題に対して一緒に検討している、という心理的な効果があります。ぜひ試してみてください。

プロジェクトリカバリのコツとヒント(6)

フォーマットの再チェック


各種書類のフォーマットを見直します。必ず改定すべし、ではなく、プロジェクト状況と照らし合わせて適切かどうかの再チェックです。少なくとも、進捗管理、課題管理はチェックしておくのが良いです。更新すべき箇所が明確なフォーマットに、さらに報告相手によって作り変えたりするのをなるべく回避できるようにすると運用しやすいです。効果的なフォーマットに見直しができて、しばらくの間運用を続けると、プロジェクトチームの自己効力感の向上効果があります。

 

 

通常、進捗管理資料、課題管理資料には以下のような項目があります。ただ、正しく運用されていないケースもあります。5W1Hにしたがって、誰が、どんなタイミングで、どの項目に、どれくらいの粒度・細かさで、どのように記載するのかを、資料の目的と合わせて整理することで、運用されてこなかった要因が見えてきます。

 

進捗管理

  • 進捗率、特にクリティカルパスの進捗度合いを示せるとなお良い
  • 作業実績・遅れの状況
  • 主な課題と対策、実施時期
  • 依頼事項

 

課題管理

  • 課題内容:事象ではなく、何がどうなっているべきなのかがわかるように。
  • 起票者、起票日
  • 対応担当者、対応期限
  • 対応状況

 

進捗は「残日数」で把握する

ところで、進捗管理「完了率」ではなく「残日数」で定義し、完了予定日を頻繁に報告してもらうのがよいです。

 

完了率の場合、例えば3日間で60%まで完了した作業を完成させるには、線形的に考えれば残り2日で終わると計算できます。しかし、60%と残りの40%を同じ生産性で仕上げられる保証はありません。実は5日目に別のタスクが割り込んでいたりすると、同じペースだとしても5日目には完了できません。そうした先々の予定を念頭におきつつ、「完了まであと○日」という考え方を浸透させておくと、完了予定日の精度が上がる効果があります。


また、進捗管理(進捗会議)は、意思決定のために行うためのものだという意識を高めると良いです。悪い話を早めに発信してもらうには、意思決定をする場であることを認識しておく必要があります。関係者に「把握させる」だけの会議は意味がありません。報告が目的化してしまい、次のアクションについての建設的な検討や意思決定から遠ざかってしまいます。

 

このようにして整理したフォーマットで、前述のように3週間運用(習慣化の21日ルール)を続けてみてください。変化点や効果が見えてくるでしょう。

Copyright birdie-chance92 All Rights Reserved.