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ファシリテーションをリモート会議で実施するときのTips

リモート会議で、通信速度の関係からなかなかカメラONにできない状況が続いているなかで、なんとかして会議をインタラクティブにしたいと考え続けている。そんな折に聴講した講座で、ファシリテーションのスキルと、コーチングなどとの共通項の学び直しができた。

 

以前、ハーバード・ビジネス・レビューの特集で、「自律的な協働を促すリーダーシップ」という記事を読んだ。「自律的な協働を促す」ことは、ファシリテーションにも共通する面があるのではないかと考えていたら、この記事では以下のように記述されていた。

フォロワーに自律的な協働を促すためにリーダーが心がけるべきことは(中略)「余白を生むこと」と「問うこと」だと考えている。

コーチングにせよ、ファシリテーションにせよ、「対話をリードしていく」役割・スキルであることを考えれば、共通点として「問いかけ」スキルが共通していることに納得がいく。

 

対話や議論を見える化することは、「You vs Me」の構図から「Problem vs Us」の構図へ転換する技術であると学んだことがある。ファシリテーターとしての見える化スキルには、ロジックツリー、マインドマップなどがあるが、対話や気づきを促すためには、やはり「問い」が必要なのだと改めて感じた。

 

以下は、受講メモ。

 

リモートワーク時代の必須スキル オンラインファシリテーション入門 

■リモート・ファシリテーション

 ①場づくり

  • ルール・ゴール設定(必ず事前に!)
  • イデア出しのファシリテーション
  • 全員の意見、否定しない、さらにアイデアを出させるための問いかけをする(人の意見に乗っかる)

 ②引き出す

  • オンラインホワイトボード
  • オズボーンチェックリスト
    • 他に転用
    • 手本にできるものを探す
    • 一捻り変化させてみる
    • 拡大
    • 縮小
    • 置き換え
    • 順番・配置変え
    • 逆さま
    • 統合

 ③整理する:全体を見ながら論点を整理する
  ■ 図解(フレームワーク)…Powerpoint の図形に一通り揃っている

    • 基本(四角+矢印)
    • マトリックス型(SWOT、メリデメなど)
    • 時系列型
    • サイクル型(PDCAなど)
    • サテライト型
    • ロジックツリー
    • グラフポジショニング

  ■ ロジカルシンキング

 

  ■ 整理する時に有効な質問

    • 私たちが目指すべきゴールはなんでしょうか?(引き戻す)
    • 一番効果が出そうなものはどれでしょうか。(絞り込み)
    • 例えば○○を仮に置いてみてみなさんはどう思いますか?
    • あなた自身がやりたいですか?(当事者意識を持たせる)
    • (上司がコメントした場合にファシリテーターから)
      それは指示でしょうか、参考でしょうか。
      ※上司や会議のオーナーがファシリテーターをやるのは避けた方が良い。
    • 別の観点から意見はありますか。
    • もしも○○だったらどうすると良いでしょうか。
    • 本当にやりたいことはなんですか?(本質)
    • わざと反対意見を述べる
      悪魔の代弁者:ファシリテーターの役割があるから言いやすい。


 ④まとめ
  ここまでの前の段階である程度合意形成を図っておく。
  合意形成:聞き出す→整理する→集約する
   このプロセスでファシリテーターが行うのは「質問」
   合意形成のプロセス:課題→質問→合意

 

  ファシリテーターは質問を変えて合意を試みる
  ・AとBのどちらかといえば許容できるのはどちらですか?(合意点)
  ・どうすれば良いと思いますか?(答えを言わない)
  ・長期的な視点ではどうでしょうか。(追加の情報を与える)
  ・まだ共有できていない点はありますか?(聞き出す)
  ・実施するとどんな変化が未来のあなたに起きますか?(未来の想像)
   ※ワクワクする未来を想像する。最終的に成し遂げた時に訪れる未来。
  ・誘導尋問にならないようにする。

 

  有効なツールの使い方
  ・反応ボタンや挙手でクイックに合意形成できたかを確認していく。
   リアクション、チャット・・・
   自分がファシリテーターとして今何を得たいか?


■リモートファシリテーションの極意

  1. ファシリテーターは最初にゴールイメージを持つ。特に時間をデザインする。
    人間の集中力を保てるのは高々30分。時間配分、アジェンダ
    ・ゴール(なんの役割を求めているか)
    ・誰を呼ぶか?、何を発言してもらうか
    ・資料(事前に送付)
    ・時間・タイムライン
     →これが明確だと、ファシリテーションしやすいし、参加者も乗りやすい。
      リアルとリモートが混在している会議では、会議室側が盛り上がりやすいので、ファシリテーターはリモート側にいると抑えやすい。

  2. みんながついてこれているかをチェックする
    「いま○○さんが発言されました。意見ありませんか?」
    「いかがですか?」「特にありません」でもOK。リアクションをもらう。
  3. チャット・反応ツールを有効活用
    カメラOFFの会議ではより重要。8割の人は内職している。
    (声かけ+チャット、質問+チャット)
  4. 図解スキル(フレームワーク)を磨く
    会話を文字化していく。ホワイトボード(アナログ)
  5. 質問スキルを磨く
    質問フレーズをストックする(「30分ファシリテーション」)
    企業文化に則した、自社ならではの質問もあり重要。
    参加者に合わせてチューニングして使ってみる。

 

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