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プロジェクトリカバリのコツとヒント(6)

フォーマットの再チェック


各種書類のフォーマットを見直します。必ず改定すべし、ではなく、プロジェクト状況と照らし合わせて適切かどうかの再チェックです。少なくとも、進捗管理、課題管理はチェックしておくのが良いです。更新すべき箇所が明確なフォーマットに、さらに報告相手によって作り変えたりするのをなるべく回避できるようにすると運用しやすいです。効果的なフォーマットに見直しができて、しばらくの間運用を続けると、プロジェクトチームの自己効力感の向上効果があります。

 

 

通常、進捗管理資料、課題管理資料には以下のような項目があります。ただ、正しく運用されていないケースもあります。5W1Hにしたがって、誰が、どんなタイミングで、どの項目に、どれくらいの粒度・細かさで、どのように記載するのかを、資料の目的と合わせて整理することで、運用されてこなかった要因が見えてきます。

 

進捗管理

  • 進捗率、特にクリティカルパスの進捗度合いを示せるとなお良い
  • 作業実績・遅れの状況
  • 主な課題と対策、実施時期
  • 依頼事項

 

課題管理

  • 課題内容:事象ではなく、何がどうなっているべきなのかがわかるように。
  • 起票者、起票日
  • 対応担当者、対応期限
  • 対応状況

 

進捗は「残日数」で把握する

ところで、進捗管理「完了率」ではなく「残日数」で定義し、完了予定日を頻繁に報告してもらうのがよいです。

 

完了率の場合、例えば3日間で60%まで完了した作業を完成させるには、線形的に考えれば残り2日で終わると計算できます。しかし、60%と残りの40%を同じ生産性で仕上げられる保証はありません。実は5日目に別のタスクが割り込んでいたりすると、同じペースだとしても5日目には完了できません。そうした先々の予定を念頭におきつつ、「完了まであと○日」という考え方を浸透させておくと、完了予定日の精度が上がる効果があります。


また、進捗管理(進捗会議)は、意思決定のために行うためのものだという意識を高めると良いです。悪い話を早めに発信してもらうには、意思決定をする場であることを認識しておく必要があります。関係者に「把握させる」だけの会議は意味がありません。報告が目的化してしまい、次のアクションについての建設的な検討や意思決定から遠ざかってしまいます。

 

このようにして整理したフォーマットで、前述のように3週間運用(習慣化の21日ルール)を続けてみてください。変化点や効果が見えてくるでしょう。

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