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プロジェクトリカバリのコツとヒント(8)

短いサイクルでの振り返り。セルフフィードバック 


ここまでの取り組みを始めたので、今後はリカバリに邁進します!と気勢を吐くような報告を見たことがありますが、邁進は盲進につながるリスクもあるので、こまめに振り返る、セルフフィードバックがあると良いと思います。

 

旅の途中、ときおり立ち止まって、高いところから周囲を見たり、地図上の位置を確かめたりしますよね。そのとき、集団の隊列が乱れていたら、「一旦ストップ」すると思いますが、プロジェクトもそれと同様です。立ち止まることで心理的にも楽になります。落ち着いて考えることができます。


視点(時間、空間、立場など)の移動は、コーチングでも用いられる手法です。視点・視野・視座を拡げてくれる効果があり、「立ち止まって考える」ときに、たいへん有用です。視点を変えたり、原点に戻したりするための切り口として、次のような見方ができるでしょう。

  • 縦と横:全体感を常に捉える
  • 前提とスコープ:ぶれを常にウォッチする 

 

リーダーは、足元の作業に捉われていてはいけません。メンバーよりも先に行っている、先を見ている必要があります。 リーダーがボトルネックにならないこと。そのために、メンバーにタスクを振ることを恐れないことです。プレイングマネージャーの罠に陥らないように、こまめに立ち止まりましょう。

 

リーダーの心身が健康であること

リーダー自身の心身の健康も重要です。


深呼吸は、自律神経を整え、頭を整理するのに大きな効果があります。私はプロジェクトリカバリの期間中、1週間の呼吸の様子を観察したことがありますが、木曜、金曜日が近づくにつれ、呼吸が浅くなっていました。遅延がなかなか回復しないまま週明けの進捗報告が迫ってきて、緊張がつのってきた証です。呼吸が浅くなると、視野狭窄になる恐れがあります。全体感を捉え、視点を高く、良い意味で大雑把に=柔軟に。「健全な心身」はプロジェクトを支える基盤だと、経験上からも実感しました。 

 

リーダー自身の「支えになる言葉」を持ち、気に入った言葉や本を溜めておくのも効果があります。不安、恐怖を感じた時の支えになります。困難な状況に立ち向かったり、危険から身を躱わす、相手の力をいなす、さまざまな対処方法が、先人の知恵にこめられています。

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