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プロジェクトリカバリのコツとヒント(7)

情報公開 


見える化の準備ができました。状況の良し悪しは、数字だけではイメージに結びつきません。グラフ化して、直感的に把握できるようにします。ゴールが近づいていることが見えることは、プロジェクトチームにとって自己効力感の向上やモチベーションの維持に繋がります。したがって、進捗資料をはじめとするドキュメント類は、対外的な報告のためだけではなく、チーム内で共有することが重要となります。

 

 

おそらくあなたは、プロジェクトマネージャの役割を、自ら獲得したのではなく、上司から「あなたなら立て直せる」という期待をこめて、任命されたのではないかと思います。お客様への報告はさることながら、上位層への報連相を欠かさないようにしましょう。最低でも1ヶ月に1〜2度は必要です。負担が増えるように感じるかもしれませんが、上位者は状況をタイムリーに把握でき安心するメリットが、プロジェクトマネージャは余計な介入を回避して、自分の仕事を減らすことができるメリットがあります。

 

トラブルプロジェクトの再スタートでは、「建設的な進捗」をプロジェクト内外に示す(実態とあまりにも乖離してはいけませんが)ことで、期待感を持たせることができます。外野からは口出しをさせない効果が、チーム内には「できるかも」という前向きな気持ちが生まれます。ただし、「期待」の賞味期限は1ヶ月程度と思っておくのが良いでしょう。

 

口頭コミュニケーションが招く認識齟齬

口頭でのコミュニケーションは、認識齟齬を必ずもたらすものと考えた方がよいでしょう。


コミュニケーションミスをなくすには、書くこと・可視化すること・共有することが重要です。図解の技術、自分の考えを論理的に整理する技術、ホワイトボードの活用、ファシリテーションなどが助けとなります。

 

Problem vs Us

書いて見える形にすることは、人と人との対立を回避したり和らげたりする効果があります。何かの課題について論じているとき、口頭ではどうしても、「You vs I」の構図になってしまい、矢が向かう方向は相手(You)になります。事実と感情の分離が難しくなることもあるでしょう。この課題を例えばホワイトボードなどに書いて見せたらどうなるか。お互いの視線はホワイトボードに向けられることになるので、「Problem vs Us」の構図に変わり、同じひとつの問題・課題に対して一緒に検討している、という心理的な効果があります。ぜひ試してみてください。

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