知者は水を樂しみ、仁者は山を樂しむ

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「識学」に触れてみた

要潤さんのCMでおなじみ、東証マザーズに設立4年で上場した「識学」。

「部下のモチベーションを上げるのは、上司の役割である」云々。
「それぜぇぇーーーーんぶ、おおまっちがーーーい!」というアレです。

 

Web広告で無料体験講座の案内がエンドレスになって気になっていたのと、マネジメントを勉強する身としては、知識や方法論のひとつとして知っておいても良いかな、というわけで、体験講座に行ってきましたのでレポートします。
体験といってもほんの1時間。それだけで識学の何がわかるのか。とも思いますが、説明を聞いて思ったことなどをメモしておきます。

「識学」は、「意構造」からとった名前だそうですが、「意識構造学」という学問分野は世の中にはないようです。

 

1時間の講座での話題は、おもに3つ。

  1. 認識のズレについて
  2. ひとつ飛ばしの弊害/決められないリーダ
  3. 「風通しのよい組織」とは?

 

◼️認識のズレ

 の2種類が存在します。組織においては、

  • 相互認識のズレ
    上司からの指示(上司の期待と部下の理解)
    ルールに対する理解のズレ
    目標に対する理解のズレ(「強化する?」「徹底する?」「改善する?」)
  • 事実認識のズレ
    例えば、「給与、サービス、対価の3つが生まれる順序は?」というような事実に対する理解のズレ

 と解説されていました。
 これは、ふだんから組織のメンバーに指示したり報告を受けたりする中間管理職(私)としては理解しやすいものです。

 

◼️ひとつ飛ばしの弊害/決められないリーダー

 ①部長、②課長、③課員 がいて、①部長が③課員に直接指示を出していたらどうなるか?

  • ③課員は①部長から指示を受けていることから、②課長との同格意識を持ち、②課長の指示を聞かなくなる。
  • ③課員は上司が2人いるように見え、迷い、混乱する。
  • ②課長は無責感覚になる。機能停止。
  • ①部長は自分がきっかけになっていることに気づかず、②課長の能力不足だと理解する。

 これも思い当たるフシが…。

 続いて、「決められないリーダー」はなぜ決めないか?

  • 責任取りたくない
  • やったもん負け
  • 責任範囲を理解していない

 あたりが要因として挙げられていました。

 

 ピラミッド型の組織の場合、「その人(下図の①とか③)を頂点とした三角形で、上は下に対する責任を内包している」と考え、責任を負っているリーダーは、自分が管轄している部門のルールを決めなければならない」と捉えています。

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決められないリーダーはここを正しく理解せず、

  • 免責できる
  • 部下を巻き込めば自分の責任は軽減される
  • 部下にも権限がある
  • みんなで決めよう

と錯覚しているのだそうです。

 

◼️「風通しのよい組織」とは?

 風通しと聞くと、上下の風通しだったり、セクション間の横方向の風通しだったり、はたまた「無礼講のこと?」と言う人もいます。

 「風通しがよい」とは、「否定してよい」ではありません。

 部下と上司は、見ているポイントも責任の大きさも異なります。

 上司は部下に「指揮命令」をする責任がありますし、部下は上司に対し、現場にしか見えない事実情報を報告する責任があります。この関係が成立している状態を「風通しのよい組織」と位置づけていました。

 

◼️まとめ

 組織の問題の起点はすべて管理者が起こしている。
 自分を頂点とした三角形で起きている問題は、自分が作っていると考えること。
 この先は、識学で学びましょう! でした。

 

 

◼️所感

途中、赤字でも書いているように「ピラミッド型の組織においては」というのが考え方の前提になっているようです。フラット化している組織では、当てはまる部分もありそうですが、すべてがそうとは言い切れないように思います。

 

話が飛躍しますが、ITプロジェクトにおいて、「ウォーターフォール型」ではこの考え方は適用できそうです。一方、「アジャイル型」の場合には適合しないように思います。短時間だったので理解できたとは言い難く、この所感も間違っているかもしれませんが、考えるきっかけにはなりました。

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