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ソーシャルディスタンスとアレン曲線

佐々木どうよ。です。

 

東日本大震災のあと、絆やつながりを求めて、婚活サービス業界が活況になったそうです。

今回のコロナ騒動においても、外出自粛となって初めて、人同士のリアルなつながりを欲している自分に気づいた人も多かったのでは。

SNSやオンラインコミュニケーションツールが格段に便利になったとしても、人間である以上は物理的なつながりも必要なのだと感じられたこの2ヶ月でした。

「ソーシャルディスタンシング」=社会的距離?

 日本語に直訳して「社会的距離」と言われています。「社会的」って何でしょうか。

「ソーシャル」と言われて思い当たるのが、「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」。Wikipediaによれば、「社会的ネットワーク」をWeb上に構築できるサービス、と解説されています。

さらに「社会的ネットワーク」とは、

価値、構想、提案、金銭的やりとり、友人、親類、嫌悪、取引、ウェブリンク、性的関係、疾病の伝染(疫学)、航空路といった1つ以上の関係により結びつけられた(個人や組織を指す)ノードからなる、社会的な構造である。 

 と書かれていて、必ずしも物理的な距離を指していません。

 

では、飛沫感染などを防止するための距離とは、何の距離なのでしょうか?

そう考えてみると、「社会的距離」ではなくて「身体的距離」が正しい解釈だろうと思うのです。「社会的距離」を取ろうとすると、思想や価値観まで左右されるような印象を感じます。

 

ソーシャルディスタンスとアレン曲線

お互いの物理的な距離が近いほど、コミュニケーションの頻度が高まる。距離が8mを下回るとその頻度は急激に高まる。そういう研究成果があるそうで、これを研究者の名前をとって「アレン曲線」と言うのだそうです。(「THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法」より)

 

たしかに、近い席のひとほど雑談も多くなるし、お互いのことを知っているという感覚も高まるように感じます。ザイオンス効果(単純接触効果)も似た概念かもしれません。私の職場でも、同じ案件に関わるメンバーはできるだけ席を近くにする対策をとっていて、それがコミュニケーションの頻度をあげている点は、実感としてあります。

 

一方、身体的距離を保つようにとの時勢においては、おのずとコミュニケーション頻度の限界が下がってしまうのではないでしょうか。 

オンラインコミュニケーションでも「アレン曲線」は成り立つのでしょうか。

そもそも、オンラインコミュニケーションにおける「距離」の尺度は何なのかについて考えないといけないのかもしれません。「会って顔を見て話をしないと、話をした気にならないんだよ」というおじさんの説を後押しする一方、「コミュニケーションはオンラインで十分」という世代の説に疑問を投げかけるものですね。

 

もしかすると、これからの時代・世代に「アレン曲線」をそのまま当てはめるのは間違っているのかもしれません。ちなみにアレン曲線は1977年、いまからたった40年ほど前に発表されたもの。たった40年とはいえ、ちょうどひと世代分ですね。いまの時代、ひと世代異なるとコミュニケーションの概念は大きく変わっていると感じますが、上記のおじさん説vs現世代説の構図もあながち外れてはいないのかも。

 

 

とりとめのない話でした。

では、今宵はこれにて。

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