知者は水を樂しみ、仁者は山を樂しむ

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プロジェクトマネージャとヒューマンスキル

読書感想です。

 

プロジェクトマネジャーの「時間の大部分は、自分の主体性を弱めて他人と作業すること、すなわち、対人関係の解決に使われます。」の一文にたいへん共感しました。

 

2007年に出版された書籍ですが、普遍的な内容が多く、いま読んでも納得・実感できる部分がほとんどです。出版された当時の背景として、フラット化した組織、グローバル化が進むプロジェクト、ダイバーシティなどと書かれていますが、この流れは今も続いているもの。VUCAの時代の入り口だったと言えるかもしれません。

 

動機付けのツール;MBTI、キャリア・アンカー

MBTI理論の活用が推奨されていますが、個人的にはやや懐疑的に感じています。
評価軸が少ないのと、二極的な診断の組み合わせになるので、血液型によるタイプ分けに近い印象があります。

 

シャインScheinの「キャリア・アンカー理論」はこれからのプロジェクトマネジメントにも活用できそうです。

tunag.jp

 

プロジェクトマネージャ に求められるヒューマンスキル

プロジェクトマネージャ に人間力が求められることは、経験的には誰もが実感できることだと思いますが、カッツ理論においても、ミドルマネジメント層に求められる要素として、比率が最も高いのはヒューマンスキルとされています。

 

■カッツ理論の3つのスキル

  • テクニカルスキル(専門能力)/Technical Skills
  • ヒューマンスキル(対人関係能力・人間理解能力)/Human Skills
  • コンセプチュアルスキル(概念化能力)/Conceptual Skills

 

プロジェクト・マネージャがヒューマンスキルを身につける過程

テクニックでもツールでもないので、知識と実践の繰り返しでしか習熟の道はないでしょう。本書でも、「人間術」はプロジェクトマネージャが下積み時代から経験を重ね、徐々に身につけていくもの、と述べられています。

自分自身がプロジェクトマネージャとして今後も精進していくための要点でもありますし、後進育成においてはより意識的に伝達していく必要があると再認識しました。

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